スタートメニューの項目を別のユーザーのスタートメニューに移動/コピーする

 「スタート」メニューのプログラム項目を別のユーザーのスタートメニューに移動したい、あるいはコピーしたいという場合があります。この場合、注意しないと、移動先/コピー先のユーザーのスタートメニューに項目は表示されるが実行できないといったトラブルが発生する可能性があります。
 その理由は移動/コピー元と移動/コピー先とでアクセス権が異なっているためです。例えば、AdministratorのスタートメニューにあるHogehogeというショートカットをエクスプローラでAll Usersのスタートメニューに移動したとします。この場合、Administrator以外のユーザーでログオンし、スタートメニューのHogehogeをクリックしても、Hogehogeは実行されません。このときのHogehogeのアクセス権を見ると、Administrator、AdministratorsとSYSTEMがフルコントロールになっていて、他のユーザーには一切アクセス権がないことが分かります。つまり、Administratorのスタートメニューにあったときのアクセス権がそのままHogehogeに設定されていることになります。フォルダごと移動した場合も同様です(フォルダのアクセス権にも注意)。
 このように、ショートカットの移動の場合は移動元でのアクセス権がそのまま継承されます。したがってAdministrator以外のユーザーがこのショートカットを実行するためには、このショートカットのアクセス権を変更し、そのユーザーに対して「読み取りと実行」権限以上を与える必要があります。通常は、「継承可能なアクセス権を親からこのオブジェクトに継承できるようにする」のチェックを付けることで、親フォルダのアクセス権を継承するようにします。
 同様の操作で、AdministratorのスタートメニューからHogehogeのショートカットをAll Usersのスタートメニューにコピーした場合は、Hogehogeのアクセス権は、「継承可能なアクセス権を親からこのオブジェクトに継承できるようにする」のチェックが付いた状態、つまり親フォルダのアクセス権を継承した状態になっていますので、Administrator以外のユーザーからも実行できます。
 結論をいえば、ファイル/フォルダの移動の場合のアクセス権は移動元のアクセス権がそのまま継承され、コピーの場合はコピー先のアクセス権が設定されます。