64bit WindowsでPDFを作成

 64bit WindowsではAdobe AcrobatでPDFファイルの作成ができません。Acrobat自体は64bit Windows にインストールできるし、PDFファイルの閲覧や編集は可能ですが、PDFの作成ができません。というのは、PDFの作成はプリンタドライバの形で実装されたドライバによりPS (ポストスクリプト) ファイルを作成し、それをDistillerでPDFファイルに変換するという手順になっています。Acrobatに同梱されているのは32bitのドライバなので、これが64bit Windowsでは動作しないため、PSファイルの作成ができないのが原因です。
 それならば、別の方法でPSファイルさえ作成できればPDFの作成もできるということになります。ところで、通常、ポストスクリプトプリンタにはPSファイルを作成する機能があります。つまり、PSプリンタ用のドライバを使い、PSファイルを作成すれば、AcrobatでPSファイルからPDFファイルに変換できるということになります。

 実際に、64bit Windows XP標準のPSプリンタの中から「Xerox Phaser 1235 PS」のドライバをインストールし (このプリンタ自体は使っていない)、Wordからこのドライバを使ってファイルに出力してみました。ファイルの拡張子はPSとします。
 できたPSファイルをダブルクリックすると、見事にDistillerが起動してPDFファイルが作成されました。PDFファイルを開いて確認すると、確かにWordの内容が作成されています。

 これで64bit環境でもPDFの作成ができることになりました。直接AcrobatでPDFを作成することに比べると、1ステップ操作が増えるものの、これまでPDFの作成のために32bit Windowsを起動していたことに比べると大変な効率化です。
 なお、PSプリンタはXeroxでなくとも可能だと思いますが確認はしていません。ただしカラープリンタを選んでください。モノクロプリンタだとモノクロのPDFファイルしか作成できません。また、なるべく解像度が高く、大きな用紙サイズをサポートしているプリンタが望ましいでしょう。
 また、Acrobat以外のPDF作成ソフトでも、PSファイルからPDFに変換する機能を持っていれば、同様の方法でPDFが作成できるでしょう。Ghostscript 8.51でPDFの作成ができたという報告もあります。