Vista/2008/7とXPのデュアルブートでの復元ポイントの問題

 Windows Vista/2008/7とWindows XPをデュアルブートしている場合、Windows XPを起動するとVista/2008/7の復元ポイントが削除されてしまうことが知られています。これはXPのvolsnap.sysがVista/2008/7の復元ポイントを正しく認識できないため削除してしまうことが原因となっています。これを解決するためにはXPのvolsnap.sysを修正する必要がありますが、volsnap.sysに依存しているサードパーティ製アプリケーション (バックアップソフト) との互換性を維持するために、今のところMSでは修正する予定はないということです。
 となると完全な解決策はないのですが、とりあえずの回避策として次の3つの方法があります。

1 volsnap.sysに依存するアプリケーションが動作しなくともよいのであれば、volsnap.sysを無効にすることで、Vista/2008/7の復元ポイントが削除されないようにする方法。この方法ではXPのシステムの復元ができなくなりますが、Vista/2008/7からXPのパーティションをバックアップしておけば実質的な問題はないでしょう。
2 XPからVista/2008/7のパーティションをアクセス不能にする方法。この方法ではXPとVista/2008/7の両方のシステムの復元機能が利用できますが、XPからVista/2008/7のパーティションが未フォーマットと見えますので、あまり気分は良くないでしょう。
3 Bitlocker機能を使ってVista/2008/7のパーティションを暗号化する方法。この方法が可能なのはVista/7のEnterprise EditionsとUltimate Edition、それにWindows Server 2008だけです。これも2と同様にXPからVista/2008/7のパーティションをアクセス不能にします。
 どの方法が良いかは、必要と状況に応じて選択してください。

1 volsnap.sysを無効にする方法
1) Windows XPでレジストリエディタ (regedit.exe) を起動します。

2) 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Class\{71A27CDD-812A-11D0-BEC7-08002BE2092F}」の「UpperFilters」をダブルクリックし、「値のデータ:VolSnap」を削除して「OK」をクリックします。

2 Vista/2008/7のパーティションをアクセス不能にする方法
1) Windows XPでレジストリエディタ (regedit.exe) を起動します。

2) 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\MountedDevices\Offline」を開きます。「Offline」キーが存在しない場合は、新規に作成します。

3) 「編集」→「新規」→「DWORD値」をクリックします。エントリ名に「\DosDevices\X:」と入力します。(X:の部分はVista/2008/7がインストールされているドライブ名です。

4) 「\DosDevices\X:」をダブルクリックし、値のデータに「1」を入力します。

3 Vista/2008/7のパーティションを暗号化する方法
 この説明は省略します。

 なお、この問題は、Windows XPの代わりにWindows Server 2003とのデュアルブートでも起きます。対応策も同じです。Windows 2000とのデュアルブートでは、この問題は起きません。