デュアルブート/マルチブートのシステムを構築している場合、データファイルをすべてのOSで共通に利用できると便利になる。またアプリケーションやスワップファイルを共有すると、ディスクサイズの有効利用ができる。ここではそうしたTIPSのいくつかを紹介する。
Windows NT/2000/XPとWindows 9xでMy Documentsを共有するには、My Documentsフォルダの保存場所を同じところにすればよい。その際、保存場所はすべてのOSからアクセス可能なドライブでなければならない。例えば、Windows MeとWindows 2000でMy Documentsを共有するには、FAT16/32のドライブでなければならない (NTFSは不可)。Windows 2000およびWindows MeでMy Documentsの保存場所を変更するには、デスクトップの「マイ ドキュメント」アイコンを右クリック→「プロパティ」→「ターゲット」タブ→「ターゲット フォルダの場所」で「リンク先」を保存したいドライブ/フォルダにする。ここでは「E:\MyData」に変更した (画面1、2)。
画面1 My Documentsのプロパティから保存先を変更 (Windows Me)

画面2 My Documentsのプロパティから保存先を変更 (Windows 2000)
My Documentsフォルダを変更する際、自動的にその配下の、My MusicやMy Picturesフォルダを含むデータも移動することができる。
My Documentsのプロパティからでなく、Tweak UI (http://www.microsoft.com/ntworkstation/downloads/PowerToys/Networking/NTTweakUI.asp) を使ってMy Documentsフォルダを変更することもできる (画面3、4)。ただし、Tweak UIでは変更先に自動的にデータを移動してはくれないので、手動で移動する必要がある。

画面3 Tweak UIを使ってMy Documentsの保存先を変更 (Windows Me)

画面4 Tweak UIを使ってMy Documentsの保存先を変更 (Windows 2000)
My PicturesフォルダをMy Documentsの配下以外の場所に、あるいは別の名前にしたい場合もTweak UIで変更できる (画面5、6)。

画面5 Tweak UIを使ってMy Picturesの保存先を変更 (Windows Me)

画面6 Tweak UIを使ってMy Picturesの保存先を変更 (Windows 2000)
この他に、Tweak UIではテンプレート (Documente Templates) フォルダの変更 (画面7、8) や、送る (Send To)、最近使ったファイル (Recent Documents) などのフォルダも変更できるので、両OSで共有したいならば変更しておくとよい。しかし、Common Program FilesやProgram Filesの共有は避けた方がよい。

画面7 Tweak UIを使ってテンプレートの保存先を変更 (Windows Me)

画面8 Tweak UIを使ってテンプレートの保存先を変更 (Windows 2000)
Internet Explorer (IE) のお気に入り (Favorites) も複数のOSで共有したいデータだ。保存場所を変更するためには、レジストリの編集が必要になる。しかし、この保存場所を変更するためにも、Tweak UIを使うことができる。ここでは「E:\MyData\Favorites」に変更した (画面9、10)。保存先を変更したら、データを手動で移動する。IE 5.xのデフォルトの保存先は、Windows Meの場合が「C:\Windows\Favorites」で、Windows 2000の場合が「C:\Documents and Settings\[ユーザー名]\Favorites」だ。

画面9 Tweak UIを使うとお気に入りの保存先を変更できる (Windows Me)

画面10 Tweak UIを使うとお気に入りの保存先を変更できる (Windows 2000)
Outlook Express (OE) のメールデータを複数のOSで共有するためにはメッセージの保存フォルダを同じドライブ/フォルダにすればよい。ただし、OEのバージョンが同じであることが必要だ。OE 5.xの場合は、「ツール」メニュー→「オプション」→「メンテナンス」タブ→「保存フォルダ」で変更できる (画面11)。なお、ニュースグループの購読をしている場合は、これを行うとダウンロードしたニュースメッセージが消えてしまう危険があるので、その場合は、次の「ニュースメッセージの共有」の項に従って操作を行っていただきたい。
画面11 OE 5.xでは保存フォルダの変更で、メールデータを保存する場所を指定する
変更後はデータを手動で移動する。デフォルトの保存先は、Windows
Meが「C:\Windows\Application
Data\Identitie\[一意の英数字]\Microsoft\Outlook
Express」で、Windows 2000が「C:\Documents and Settings\[ユーザー名]\Local
Settings\Application Data\Identities\[一意の英数字]\Microsoft\Outlook
Express」だ。
もし、2つのOSで異なるメールデータを持っていて、両方を一緒にしたい場合は、片方のデータを共有に設定した後、もう一方のデータを、OEの「ファイル」メニュー→「インポート」→「メッセージ」でインポートすればよい。
ニュースグループのデータを共有するためには、保存場所を同じにするだけではだめで、少し複雑な手順が必要になる。その方法を次に示す。
1. 操作中にデータが消えてしまう場合があるので、最新のデータのあるOEの保存フォルダにある全ファイルを別のフォルダにバックアップしておく。保存フォルダはメールデータを同じだ。
2. 最新のデータを持つOEのOSを起動し、保存フォルダのデータをすべて新規のドライブ/フォルダにコピーし、「メールデータの共有」の手順で保存先を変更する。
3. Regeditを起動して「\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Account Manager\Accounts」にある「000000xx」(00000001から000000ff) のキーをすべてファイルに保存する。その方法は、各キーを反転させた状態で、「レジストリ」メニュー→「レジストリファイルの書き出し」で適当な名前を付けて保存する (画面12)。その際、Windows 2000の場合は「ファイルの種類」を「Win9x/NT4 レジストリ ファイル」(REGEDIT4)」にする (画面13)。こうしないとWindows 9xやWindows NTと互換性がないファイルになってしまい、Windows 9x、Windows NTで取り込むことができない。この操作をキーの数だけ繰り返す。
画面12 Regeditでアカウントのキーをファイルに書き出す (Windows Me)
画面13 Windows 2000の場合はWin9x/NT4レジストリ ファイルとして保存する
4. 別のOSを起動し、Regeditを起動して、やはり「\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Account Manager\Accounts」にある「000000xx」(00000001から000000ff) のキーをすべて削除する。
5. 「レジストリ」メニュー→「レジストリ ファイルの取り込み」で、3.で保存したファイルを取り込む。これをファイルの数だけ繰り返す。
画面14 Regeditでアカウントのキーをファイルから取り込む (Windows 2000)
6. OEを起動して、「保存フォルダ」を共通の保存フォルダに変更する。警告のメッセージに対しては「はい」をクリックする。
7. いったんOEを終了し、再度起動すると最新のデータが表示される。もしこのとき、データの一部がなくなっていたら、OEを終了し、最初にバックアップしておいたデータを新しい保存先に上書きコピーする。これでもメッセージの一部が欠落している場合はRegeditでのアカウントの取り込みがうまくいっていないので、もう一度4.と5.の手順を実行し、データを再度上書きコピーする。これでメールとニュースのデータの共有ができる。
Regeditでアドレス帳の保存場所とファイル名を変更することで、アドレス帳を共有することができる。Windows Me、Windows 2000共に、レジストリは、「\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\WAB\WAB4\Wab File Name」にあるので、これを共通のドライブ/フォルダとファイル名に変更する。
もちろんアドレス帳のデータ (.wab) は手動でコピーする。デフォルトの保存場所は、Windows Meが「C:\Windows\Application Data\Microsoft\Address Book」で、Windows 2000が「C:\Documents and Settings\[ユーザー名]\Application Data\Microsoft\Address Book」だ。
画面15 Regeditでアドレス帳の保存場所を変更する (Windows Me)
Netscape 6のデータの共有を行う場合は、「Profile Manager」で「プロファイルを作成」を選び (画面16)、プロファイル名を入力して「フォルダを選択」ボタンを押して (画面17)、移動先のフォルダを選択する。これを両方のOSで行い。移動先フォルダを同じにする。

画面16 Profile Managerでプロファイルの作成を選ぶ

画面17 プロファイル名を入力し、フォルダを選択する
次に、Windows Meの場合は「C:\Windows\Application Data\Mozilla\Users50\[プロファイル名]\[英数字].slt」にあるファイル/フォルダをすべて新しいフォルダにコピーする。Windows 2000の場合は「C:\Documents and Settings\[ユーザー名]\Application Data\Mozilla\Users50\[プロファイル名]\[英数字].slt」にあるファイル/フォルダをすべてコピーする。これでNetscape 6のブックマーク、アドレス帳、メール/ニュースデータがすべて共有できる。その後「Profile Manager」で古いプロファイルを削除する。このとき、「ファイルを削除する」を選択すると、移動元のデータをすべて削除することができる (画面18)。

画面18 プロファイルの削除の際に、データファイルも全部削除することができる
IMEの日本語辞書も共有したいものの1つだ。ただし共有できるのは同じIMEの同じバージョンの場合だ。MS IME 2000の場合は、プロパティ画面で辞書の保存先を変更できる。ユーザー辞書は「辞書/学習」タブ→「参照」で簡単に変更できる (画面19) ので共通のドライブ/フォルダを指定すればよい。ただし、辞書は手動で移動する。
デフォルトの保存先は、Windows Meが「C:\Windows\IME\IMEJP\UsrDicts\IMEJPUSR.DIC」で、Windows 2000が「C:\Documents and Settings\[ユーザー名]\Application Data\Microsoft\IME\IMEJP\IMEJPUSR.DIC」だ。

画面19 MS IME 2000のユーザー辞書は参照ボタンを押して変更できる
単漢字辞書、人名地名辞書などのシステム辞書も共有できるが、ユーザー辞書のようには保存先を変更できないので、次の手順で保存先を変更する。
1. 変更したい保存先にシステム辞書をコピーする。デフォルトの保存先は、Windows Meが「C:\Windows\IME\IMEJP\DICTS」で、Windows 2000が「C:\WinNT\IME\IMEJP\DICTS」だ。
2. MS IME 2000のプロパティ画面で、現在のシステム辞書を「削除」ボタンを押して削除する。
3. 「追加」ボタンを押して、変更先のドライブ/フォルダを指定して、辞書を追加する (画面20)。
画面20 MS IME 2000のシステム辞書は削除して追加という手順で変更する
4. これを繰り返してすべての辞書を変更する。システム辞書の保存場所が変更できたら、元の場所にあるシステム辞書を削除する。
これ以外にも、Windows
MeのMS-DOSプロンプト、Windows
2000のコマンドプロンプトで利用するMS IME辞書を共有することもできる。そのためには、Windows Meでは「C:\Windows\Command」、Windows 2000では「C:\WinNT\System32」にある、「MSIME.DIC」と「MSIMER.DIC」の2つの辞書ファイルを変更したい保存先に移動し、次のファイルをテキストエディタで編集する。
Windows Meでは、C:\ドライブのルートにある「DOSIME.SYS」を編集し、画面21のように辞書のパスを修正する。

画面21 Windows MeのMS-DOSプロンプトで使用するMS IME辞書のパスを変更する
Windows 2000では、「C:\WinNT\System32」にある「CONFIG.NT」を編集し、画面22のように辞書のパスを修正する。
画面22 Windows 2000のコマンドプロンプトで使用するMS IME辞書のパスを変更する
ATOK14のユーザー辞書は次の手順で共有できる。
1. まずATOK14のユーザー辞書を共通のドライブ/フォルダにコピーする。ユーザー辞書は、Windows Meの場合「C:\Windows\Application Data\Justsystem\Atok14」フォルダにある「ATOK14Ux.DIC」(xは数字) だ。Windows 2000の場合は「C:\Documents and Settings\[ユーザー名]\Application Data\Justsystem\Atok14」フォルダにある。
2. ATOK14のツールバーの「メニュー」→「辞書メンテナンス」→「辞書・学習設定」で「ATOK14のプロパティ」を開く (画面23)。

画面23 ツールバーからATOKの辞書・学習設定 (プロパティ) 画面を開く
3. 「辞書セット一覧」から辞書セットを選択して、「詳細設定」ボタンを押す。「学習・登録詳細設定」画面で「ユーザー辞書設定」の「参照」ボタンを押す。「辞書ファイルの参照」画面で異動先の辞書を選択する (画面24)。
画面24 辞書セットを選択して新しい辞書の場所を指定する
4. 「辞書セット一覧」から別の辞書セットを選択して同様の操作を行う。
5. 元の場所にある辞書を削除する。
これでATOK14のユーザー辞書が共有できる。一方、システム辞書の場所を変更する簡単な方法はないようだが、ATOK14は複数OSでプログラムを共有することができるので、インストール先を同じにすれば結果として共有できる (「アプリケーションの共有」の項を参照)。
Windows NTとWindows 2000、Windows XPでは、1つのページングファイル (スワップファイル) を共用することができる。ページングファイルはサイズが大きいだけに、ディスクの効率利用に大きな効果がある。同時にシステムのあるドライブと別のドライブにページングファイルを持っていくことでパーフォーマンスの改善にも役立つ。
Windows 9xとWindows NT/2000/XPのスワップファイルも共有が可能だ。しかし、手順が多少面倒になる。Windows 2000/XPとWindows NTの場合は、スワップファイルのファイル名が同じ「Pagefile.sys」なので、スワップファイルを置くドライブを共通のドライブに変更するだけでよいが、Windows 9xのスワップファイルは「Win386.swp」というファイル名なので、ファイル名を変更する操作が必要になる。具体的な手順は次のとおり。
1. まずWindows 9xでスワップファイルを置く場所とサイズを変更する。「コントロールパネル」→「システム」→「パフォーマンス」タブ→「仮装メモリ」で、「自分で設定する」をチェックし、「ハードディスク」に「E:\」、「最小」に「768」、「最大」に「768」と入力した (画面25)。これらは各自の環境に合わせて入力していただきたい。
画面25 Windows Meで仮装メモリの置き場所とサイズを指定する
2. 次にWindows NT/2000/XPでページングファイルの置き場所とサイズを指定する。画面26のように、場所は「E:」ドライブで、「初期サイズ」を「768」、「最大サイズ」を「768」と指定した。これはWindows 9xと同じ場所、同じサイズにする。
画面26 Windows 2000でページングファイルの置き場所とサイズを指定する
3. これだけではスワップファイルのドライブが同じになっただけなので、次にWindows NT/2000/XPのレジストリを編集してファイル名を同じにする。Windows NT/2000/XPのレジストリはバイナリ値になっているので、Regeditでは面倒だ。そこでRegedt32を使う。
Regedt32を起動し、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Control\Session Manager\Memory
Management」エントリの「PagingFiles」をダブルクリックし、データとして「e:\win386.swp
768 768」と入力する (画面27)。再起動すればスワップファイルが共有されている。
画面27 Windows 2000のRegedt32でページングファイルのファイル名を編集する
Windows NT/2000/XPでスワップファイル名を変更する代わりに、Windows 9xでファイル名を変更することもできる。Windows 9xでスワップファイル名を変更する場合は、System.iniファイルを次のように編集する。
[386Enh]
PagingFile=E:\Pagefile.sys
PagingDrive=E:
MinPagingFileSize=768 (仮想メモリの最小値)
MaxPagingFileSize=768 (仮想メモリの最大値)
なお、スワップファイルを置くパーティションを独立したパーティションにするというのも効率の面で有効な手段だ。次で説明するテンポラリフォルダを置くパーティションについても同様だ。ただパーティションが増えればそれだけパーティション設計が難しくなるので、全体との兼ね合いで決めていただきたい。
テンポラリファイルは共有する必要がほとんどないが、あちこちにテンポラリファイルが散らばっていると管理が面倒なので、1箇所にまとめておくと楽ができる。つまりテンポラリフォルダを共有するとよい。ここでは「E:\Temp」フォルダをテンポラリフォルダにすることにしよう。
Windows Meでテンポラリフォルダを指定するには、エディタでC:ドライブのルートにある「Autoexec.bat」ファイルを開き、「SET TEMP」と「SET TMP」の2行を
SET TEMP=e:\temp
SET TMP=e:\temp
に書き換える (画面28)。

画面28 Windows Meのテンポラリフォルダを指定する
Windows 2000では「コントロールパネル」→「システム」→「詳細」タブ→「環境変数」で、「ユーザー環境変数」と「システム環境変数」の計4つを変更する (画面29)。あるいはシステム環境変数だけ変更して、ユーザー環境変数を削除してもよい。ユーザー環境変数がなければシステム環境変数が適用されるので同じことになる。
画面29 Windows 2000のテンポラリフォルダを指定する
これでとりあえずテンポラリフォルダを1箇所にすることができたが、これは完全ではない。というのは、アプリケーションによっては独自のテンポラリフォルダを作るものがあり、アプリケーションをインストールする度にテンポラリファイルがあちこちに散らばる状況はなくならないからだ。アプリケーションの中にはテンポラリ