Vista & 64bit対応の最新アンチウィルスソフト


製品名:NOD32アンチウィルス V2.7
開発元:ESET, s.r.o.
発売元:キヤノンシステムソリューションズ 問い合わせ先 03-5730-7198 http://canon-sol.jp/
対応OS:Windows 98/98SE/Me、Windows NT 4.0 SP6、Windows 2000、Windows XP (x86/x64)、Windows Server 2003/R2 (x86/x64)、Windows Vista (x86/x64)
価格:4,800円 (パッケージ版)、3,200円 (ダウンロード版)


 NOD32アンチウイルスは、驚異的なウイルス検出率と高速スキャンという相反する要求を高い次元で実現したウイルス対策ソフトだ。従来のウイルス定義ファイル参照よるウイルス検出機能と、独自のヒューリスティックエンジンによる未知ウイルス検出機能に加えて、新バージョンではルートキットを検出・駆除するアンチステルス技術が搭載された。

アンチステルステクノロジーによりルートキットを検出・駆除できる

 「NOD32アンチウィルス V2.7」は、驚異的なウイルス検出率と高速スキャンを実現したウイルス対策ソフトの最新バージョンだ。新バージョンでは、最新OSであるWindows Vistaに対応したことに加え、新種のウイルスを検出するThreatSenseテクノロジーの強化を図り、メールやインターネットをはじめ、PCを利用する上で脅威となるウイルス・スパイウェアなどを検出する。中でも、侵入したことを隠蔽するという特性から、専門の対策ツールが必要とされていたルートキットを検出・駆除するアンチステルス技術が搭載されたことが特筆される。この技術により、高度なルートキット対策を実現し、ユーザーに高いレベルの保護を提供することができるようになった。
 NOD32アンチウィルスは、スロバキアの会社が開発したソフトだが、コンピュータウイルス感染防止・識別・除去の国際誌「Virus Bulletin」において、権威ある「ウイルス検出率100%AWARD」を最多の41回 (2006年12月時点) 受賞した実績あるソフトであり、AV-Comparatives.orgにより2006年度最優秀アンチウイルス製品に選ばれてもいる。
 NOD32アンチウィルスのもう1つの特徴は、Windows 98から最新のVistaまでのほぼすべてのWindowsで利用できることだ。それも32bit版だけでなく64bit版のWindowsにも1つの製品で対応している。さらに、デスクトップOSはもちろんサーバーOSにも1つの製品で対応している。他のアンチウィルスソフトは、サーバー用は別製品となり、価格もデスクトップ用とは桁違いに高価なのに比べると、サーバーでも利用できるNOD32アンチウィルスの価格は信じがたいものだ。
 NOD32アンチウイルスは、スキャンの高速さ (従来、相反すると考えられていた高検出率と高速スキャンの双方を実現)、軽快な動作 (PCのパフォーマンスを下げずに監視が可能) を実現しているが、新バージョンではさらに、常駐監視プロセスのパフォーマンスが前バージョンに比べて12%向上し、業界トップレベルの安全性と快適さを両立させている。また、超軽量な更新ファイルにより、ナローバンドでも確実かつスピーディに更新できるため、高いセキュリティの保持が可能だ。ウイルス検出エンジンも自動アップデートされる。
 ワープロや表計算などのビジネスソフトだけでなく、インターネットへのWebアクセスやメールの送受信をする際も、Windowsは多くのファイルにアクセスし、その度にウイルス対策ソフトが動作する。そのため、システム全体の動作が重くなりがちだ。NOD32アンチウイルスは、他のアプリケーションへの影響を最小限に抑えて動作しているので、システムに過重な負荷をかけることがない。

独自のヒューリスティックエンジンでNo,1のウィルス検出率を誇る

 NOD32アンチウイルスは、ファイルを開く時、実行時、新規作成時、名前が変更された時など、常にPCを監視 (AMON:Antivirus MONitor) し、あらゆるファイルのウイルス検査を行う。また、最も侵入の可能性が高いメール受信プロトコルPOP3に対しても監視 (IMON:Internet MONitor) を行う。もちろん、指定したドライブやフォルダ、ファイルを検査することも可能だ。
 NOD32アンチウィルスでは、ウイルス定義ファイルを参照するウイルス検出機能に加え、独自のヒューリスティックエンジンにより未知のウイルスに対しても非常に高い検出率を実現している。新種のウイルスには定義ファイルがなく、一般的な対策ソフトでは検出が非常に困難だが、ヒューリスティック機能を用いることで、新種のウイルスに対しても高い確率で検出することができる。
 NOD32アンチウイルスのヒューリスティックエンジンは、2種類のアプローチで高いウイルス検出率を実現している。
1) 検査対象ファイル内部を直接解析し、ウイルスの振る舞いをするプログラムコードが含まれるファイルを検出する。
2) コードエミュレータを用いて、メモリ内に作成した仮想マシン上でファイルを実行するので、未知のウイルスに対しても高い確率で検出できる。
 その他の機能としては、
1) ブートセクタ、ドライブ、フォルダ、ファイル (拡張子別、圧縮ファイルなど)、メモリ、メールなどを指定してのスキャン
2) 手動スキャン、スケジューリングスキャン (時間指定、毎日、毎週、起動ごとなど)
3) 常駐スキャン、メールスキャン
4) ウイルス検出時の駆除、ファイル削除、自動隔離、インターネット切断
5) ウイルス検出時のメール通知、LAN内のコンピュータへのメッセージ通知
などの機能がある。
 実際にNOD32アンチウイルスを使ってみると確かに動作が軽い。この軽さは貴重だ。ただ、最近のウィルス対策ソフトの多くは、インターネットセキュリティソフト (ファイアーウォール、プロキシー) と一体となって動作するものが多いのに比べて、ウィルス対策ソフト単独のNOD32アンチウイルスは物足りないかもしれない。逆にその分、廉価であり、設定も簡単で、トラブルが起きることが少ないというメリットもある。Windows XP以降であれば、OS自体にファイアーウォール機能があるのでなおさらだ。どうしても統合セキュリティソフトが欲しければ、NOD32アンチウイルスにファイアウォール、迷惑メール対策、フィッシング対策などを統合した「ESET Smart Security」が用意されているのでそちらを購入すればよいだろう。(2007.3.1)